HOME | ブログ | blog059

答えは「1・9」どっち?

Blog post 059

 

読点

全世界で多くの数学者を巻き込み派閥争いに発展した難問があります。
 
それは 6÷2(1+2) です。
 
答えは「1」と「9」のどちらという論争です。
 
 
●まず、「9」という人の解釈は、
 
計算のルールとして、
・(  )の中を先に計算する
・「+・ー」より「×・÷」を先に計算する
・「×・÷」が共存する場合、左から計算する
にしたがい、
 
・6÷2(1+2)
=6÷2×3
=3×3
=9
 
という考え方です。
 
 
●一方、「1」という人の解釈は、
 
この式の 2(1+2) を一つの数字としてとらえ「2」は(1+2)の係数であるという考えです。
つまり「2a」「5b」を一つのかたまりとみるのと同じで、これにしたがえば、2(1+2)は「6」になり、
 
・6÷2(1+2)
=6÷6
=1
 
という考え方です。
 
 
答えが「1」なのか「9」なのかについて、実は参考になる論文(1917年)があります。
 
この論文によると、かけ算やわり算の順序に関するルール(理論)は特に決まっていないとあり、また、上記の「2a」や「5b」を一つのかたまりとしてみるのは、ルールではなく「慣習」だと説明されています。
 
そうだとすると、6÷2(1+2) の わり算・かけ算についてはルールが決まっていないこと、2(1+2)について一つのかたまりとみるかどうかは慣習であるから、どちらでも良いということになります。
 
しかしながら、(1+2)は文字でないことから、「2a」の「2」と同じく係数と考えていいのかという反論もあります。
 
 
結局、今の時点での考え方の主流は「定義不足」ということになるようです。
 
2(1+2)を2×3とみるのか、6というかたまりでみるのかによって、答えが違ってきますので、私はこのように解釈した・・・という前提があれば「1」も「9」も正解ということになるのではないでしょうか。
・・・何ともスッキリしない結論になりました。